伊藤まさひろ世事感懐

北総鉄道、値下げを検討へ

他の路線に比べて運賃が高いと言われてきた北総鉄道が運賃値下げを検討することになりました。6月23日に行った6月定例県議会での私の代表質問に対する答弁で、熊谷知事が明らかにしました。過去に沿線自治体からの補助金を受けて運賃値下げをしたことはありますが、会社の営業努力で値下げを検討するのは初めてです。

「北総鉄道の高運賃問題に対し、どのように取り組んでいくのか」との質問に対し、熊谷知事は、「会談した北総鉄道の室谷社長に高運賃問題についての検討を要請したところ、『積年の課題である運賃値下げの可能性の検討に着手したい』と回答したと答弁しました。同日に開催された同社の株主総会でも運賃値下げの検討が発表されたそうです。

北総鉄道は京成グループの企業で、京成高砂駅と印旛日本医大駅を結ぶ延長32・3㌔の鉄道です。高規格鉄道として建設されたため工事費がかさんで、一時は447億円もの累積赤字があり、これを償還するために他の鉄道路線と比べて割高な料金設定がされていました。

その後、沿線がベッドタウンとして注目されて人口が増加するとともに利用者が増え、21年連続で黒字が続いて、創立50周年を迎える令和4年度には累積赤字を解消できる見込みになったことから、運賃値下げの検討に着手することになりました。

千葉ニュータウン中央駅と隣の印西牧の原駅間の切符の運賃は1駅で310円。千葉ニュータウン中央駅から都心の日本橋間は3つの路線にまたがるので1150円にもなり、3カ月の通勤定期代は13万3710円と高額です。高い運賃に悩まされてきた地元の期待が高まっていますが、値下げ幅、値下げの時期などはこれからの検討になります。値下げの早期実現へ、県も沿線自治体と協調して積極的に取り組んでほしいと思います。

代表質問では、「家計にとって負担が大きい通学定期運賃を中心に、最大限の値下げを、出来るだけ早期に実施すること」「テレワーク等の浸透を踏まえ、都内への通勤需要に依存する収支構造から、沿線域内の移動をより活性化させる運賃体系に改めること」を県執行部に要望しました。