伊藤まさひろ世事感懐
新型コロナワクチン接種スタート
新型コロナウイルス撃退の切り札であるワクチン接種がスタートしました。待ちに待ったワクチン接種です。4月12日からは65歳以上の高齢者を皮切りに一般の人々への接種も始まります。長い間、人々の暮らしを抑圧してきた新型コロナの終息に向かってようやく動き出しました。
一昨年12月に中国・武漢市で報告された新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界中に拡散しました。本県でもこれまでに2万6千人を超える方が感染し、死者は400人を超えました。2度にわたる緊急事態宣言による自粛生活などで人々のストレスは積りに積もっています。それだけにワクチン接種に寄せる期待は大きく、その効果に注目していきたいと思います。
ワクチン接種の対象となる人にはまず、住んでいる市町村から「接種券」が届きます。この後、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探し、電話やインターネットで予約します。接種当日は「接種券」と運転免許証などの本人確認書類が必要です。
副作用が心配なので、接種を受けるのはしばらく様子を見たいと言う人も、結構見受けられます。薬にアレルギーがある人などは接種に際して医師への相談が必要で、かつて注射などで重いアレルギー反応であるアナフィラキシーを発症した人は見合わせた方がいいとされています。ただ、花粉症程度のアレルギーは問題ないとされています。
疫病の流行終息の手段として集団免疫があります。WHOは世界人口の70%が免疫を持てば、新型コロナは終息に向かうとしています。スウェーデンでは新型コロナが流行してもマスク着用を国民に奨励せず、都市のロックダウンも行いませんでした。感染者の自然増で集団免疫を実現しようという方針だったと言われています。結局は、大勢の死者を出し、国王が政府の政策は失敗だったと非難することになるのですが、この集団免疫を獲得して新型コロナを封じ込めようというのがワクチン接種の大きな目的です。早期に集団免疫を獲得するために、一人でも多くのワクチン接種が望まれています。
世界で最も早く国民へのワクチン接種が行われているイスラエルでは、接種を済ませた人に「グリーン・パスポート」と名付けられたワクチン接種証明を発行し、スポーツジムやイベント会場などではこの証明証の提示を義務付けているそうです。接種率向上のために我が国でも参考にしたらと思います。