伊藤まさひろ世事感懐
新型コロナの鎮静化、ワクチンに期待
世界の感染者が1億人を突破するなど、新型コロナウイルスが猛威を振るっています。県内の感染者も1月末までの累計で2万2000人を超えました。2月7日までの予定で本県など11都府県に緊急事態宣言が発令中ですが、期間延長も取りざたされています。2月後半からワクチン接種が始まりますが、これを機に、なんとか沈静化へ向かっていってほしいものです。
患者の急増で、新型コロナ感染症患者のための病院のベッドもひっ迫しつつあります。県はこのような事態に備えて当初、幕張メッセのホールにベッドを並べて臨時医療施設にする計画でしたが、これを見直して、代わって千葉県がんセンターの旧病棟を臨時医療施設とすると発表しました。県がんセンターでは一般の患者は全員、新しく建設された病棟に入院しています。使用されずに空いている旧病棟に最大66病床を確保し、入院が必要な軽症の高齢患者らを受け入れる予定ということです。
患者数の急増で自宅療養者が増え、容態が急変して自宅で亡くなられた方もいらっしゃいました。自宅療養者にとって自分の病状がどの程度なのか、なかなか分かりづらいのですが、県では指に挟むだけで手軽に肺機能の状況を知ることができるパルスオキシメーターの貸し出しを行っています。血液中の酸素飽和度を測る機器で、数値を見て肺炎の発症を知ることが出来ます。県ではこのパルスオキシメーターを1000台確保して貸し出ししていますが、自宅療養患者の増加で不足気味で、さらに2000台を用意するということです。
新型コロナウイルス流行鎮静化の切り札として期待されているワクチン接種が2月後半から始まります。医療従事者から接種が始まり、次いで高齢者、持病を持っている方、一般の方の順で接種が行われます。ワクチン接種を担当する河野大臣によれば、高齢者の接種開始は4月入ってからになりそうだということです。
ワクチンなどで国民の6~7割が免疫を持てば、集団免疫の効果で新型コロナウイルス感染症の流行は下火になると言われています。既に3割を超える国民にワクチン接種を行ったイスラエルでは、感染ペースが鈍化するなど流行抑制の兆しが表れているといいます。ワクチン接種の開始が待たれます。