伊藤まさひろ世事感懐
新型コロナウイルスの収束に向けて
中国湖北省武漢市発の新型コロナウイルスの流行が止まりません。国内での感染者はクルーズ船の乗客を合わせ、1日現在で955人に達しました。国の専門家会議によりますと、この1~2週間が急速に感染拡大するか、食い止められるかの瀬戸際だそうです。蔓延を防止するには、国民一人ひとりの協力が必要です。生活の不便さを我慢するとともに、不要不急の外出を控えて手をこまめに洗うなどの感染防止策を心がけ、蔓延防止に手を尽くそうではありませんか。
新型コロナウイルス感染症対策本部の呼びかけに応じて、多くの小中学校が臨時休校に踏み切っています。幼稚園も自主休園を実施するところが多くなっています。働く主婦から「子どもをどこに預けたらいいのか」という戸惑いの声も聞こえてきますが、子どもを感染から防ぐために何とかして切り抜けなければなりません。政府は臨時休校に伴って保護者が休職した場合、目減りする収入の最大7割程度を補てんする方針です。
対策本部はまた、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応」を要請しました。この呼びかけに応じてコンサートなどのさまざまなイベントが中止され、プロ野球オープン戦が無観客試合で行われることが決まりました。休園・臨時休館する各地のテーマパーク、美術館、博物館、図書館なども増えています。
この要請はイベントの企画者や施設の管理者に向けてのものでしたが、安倍首相は1日、国民に対しても換気が悪く、人が密集するような空間に集まることを避けるよう求めました。スポーツジムや屋形船などでクラスターと呼ばれる小規模な集団感染が発生したことを踏まえてのものです。普段通りの生活ができなくなりますが、ここしばらく、じっと息をひそめて感染が拡大しないよう見守るしかありません。
店頭から姿を消しているマスクをオークションで高値取引しているケースが見られるそうです。国難ともいえる新型コロナウイルス騒動に便乗したこのような行為は、違法とは言えないまでも、人の道に外れた行為と言わざるを得ません。トイレットペーパーの買い占めも始まりました。「マスク製造に紙が大量に使われ、トイレットペーパーが不足する」というSNSツイッターなどのデマ情報によるものです。世界中の医療関係者がこのウイルスに効果がある薬の確認に力を注いでいます。間もなく治療薬が見つかり、治療方法がきっと確立されるはずです。デマなどに惑わされず冷静な判断と対応が求められます。