伊藤まさひろ世事感懐
新品種米
さまざまな出来事があった平成30年も押し迫ってきました。今年の漢字は「災」だそうです。北海道胆振地方や大阪府北部での地震、西日本豪雨、次から次へと襲来した台風、異常な夏の猛暑など平成30年は災害が多い年でした。来年は元号が変わる年です。平穏で皆が幸せに暮らせる年が待っていればいいのですが。
平成30年最後の定例県議会である12月県議会で登壇し、一般質問を行いました。私の質疑と県当局の答弁から水田農業の話題を紹介したいと思います。まず、米の新品種です。米は1962年に1人当たりの消費量がピークを記録して以来、消費量が減り続けています。2016年には1962年の半分まで減っているそうです。米離れは若い人に目立ち、農林水産省の食生活調査では、20代男性の約2割が1カ月間、米を食べなかったということが分かりました。
このような米離れの状況を打開するためには食べたくなるようなおいしい新品種の米を開発することが求められています。今や、全国各地で新品種米の開発が行われ、ブランド化が盛んに行われています。ブランド米戦国時代に千葉県も乗り遅れてはなりません。実は千葉県にもデビューを控えている新品種米があって、日本穀物検定協会による食味評価では最高評価から2番目のAを獲得、本県産コシヒカリと同等以上の評価が得られました。以前の県議会でもこの新品種米について県当局に質問をしているのですが、12月県議会でも期待の新品種米を取りあげ、販売戦略などについて聞きました。
質問に対し森田知事は、千葉県産にこだわりがある飲食店や小売店、若い世代が利用しているインターネットの通信販売など、外食・中食向けを含め、さまざまな販売ルートの可能性について検討していると答弁、さらに選定中のネーミングについて、早ければ来年夏にも発表できる見込みと話しました。
ICT(情報通信技術)を活用した水田農作業の労力軽減の研究も県農林総合研究センターなどで行われています。GPSを利用して自動走行するトラクター、田植え機、水田の水位を自動制御するシステム、さらにドローンやマートフォンで撮影した画像を用いて、肥料の最適量を推定する技術の開発が進められています。本県農業の発展のために、新品種米と省力化の研究におおいに期待したいと思います。